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SISCONST 開発日記
第一回 コンピュータ業界に黒船が来る!
国内でパソコンが発売され普及しはじめて10数年、平成4年当時ナンバーワンシェアの日本電気がPC−9800シリーズで発売以来100万台を達成するころ、冒頭の表現がコンピュータ雑誌などに掲載され始めました。
当時のパソコンは、ワープロ・表計算などのソフトを仕事に、又はゲームなどの娯楽に本格活用できるようになった頃です。
ジャストシステムの一太郎・ロータス1−2−3が定番ソフトでした。又、様々な業務用ソフトも発売されていましたが、個人の仕事を支援するものの他には、スタンドアロンで使用する販売管理・給与計算・財務会計ソフトなどでした。
小企業では使用されていたものの、本格的な業務用のコンピュータはオフコンと呼ばれる各メーカー独自仕様のハードウェア・ソフトウェアで構成されるホストマシンと端末機がその中心でした。
各メーカー間に互換性はなく、あるメーカーのコンピュータではその同じメーカーのプリンタでなければ印刷できないなどの成約があり、15インチディスプレイが30万円、ドットプリンタが80万円などが普通の価格として流通していた頃です。
CPU・メモリなども各メーカーごとの開発部品であるため、そのロット数量などの影響と思いますがオフコンハードウェア・ソフトウェアは大変な高額商品でした。
こうした国内コンピュータ業界の状況に対し、米国でパソコンOSをWindows3.0に、ネットワークOSにネットウェアを使った業務システムの開発報告がされ始めたのです。
ダウンサイジング・マルチベンダーという言葉に象徴されるコンピュータ環境が実現できる様になるのです。

Windows3.0は、パソコンメーカーを選びません。どこのメーカーの製品でも共通で使用できるのです。(日本電気用・AXパソコン用と分かれていましたが)当時のパソコンOSのほとんどはMS−DOSを使用しましたが、同じMS−DOSでもメーカーごとに違っていました。その影響でアプリケーションソフトもそのMS−DOSごとに違っていたのです。
また、パソコンの部品もメーカー独自作成のロットと比べ、全世界共通仕様で作れば圧倒的コストダウンになります。
その上で、パソコン同士をつないでデータ共有できるのです。

このWindows3.0とネットウェア環境のアプリケーションソフトを開発すれば、オフコンに比べ圧倒的にコストパフォーマンスの高い業務システムを提供することができます。システムの構成にもよりますが、10分の1は簡単に達成できそうです。

冒頭の「コンピュータ業界に黒船が来る!という表現は、日本国内のコンピュータ業界に対するこうした革命的な状況を示したものだったのです。
第二回 この当時、弊社現代表の広田は富山県東部のOA機器販売会社に勤務しており普通紙複写機や小企業にも本格的需要期を迎えたファクシミリ、ワープロ専用機等の販売活動に従事していました。さらに、こうした従来からのOA機器に加え、需要が見え出したパソコンを業務用ソフトなどと一緒に販売し始め、少しずつ実績がつき始めたところでした。

新しい取扱商品としてのパソコンに対する商品知識の習得とその運用のためのMS-DOSの理解のため、書店で仕入れた専門書を読んで、多少身についてきた頃パソコン雑誌等でMS−WindowsやOS/2の話題が多数を占めるようになって来ました。

広田の営業活動地域に、大手ゼネコンの下請を中心として建築工事を展開しているS建設株式会社があります。
S建設の社長は、合理的経営手法を徹底される方です。ファクシミリが100万円以上(この頃には10万円台になっていました)していた頃からいち早く取り入れたり、またコンピュータ化においてもO社のオフコンをかなり前から導入されていました。
特にコンピュータについては、販売業者顔負けの知識と理解で、広田や他のコンピュータ業者が営業に行っても逆に教授されてしまうことばかりの状態でした。
そんなある日、S社長より電話があり、「現在O社のオフコンで運用している業務を、今回日本で発売されることになったMS−Windows3.0で動くようなソフトを作って、ネットウェアのパソコンLANで動かしたいので相談に乗ってくれないか。」という内容でした。平成4年(1992年)9月のことです。Windows95が発売され、パソコンOSのデファクトスタンダード化が一気に進む3年前でした。
第三回 受託開発案件として、受注は頂いたもののS社長のおっしゃる仕様のプログラムは、雑誌の最先端ニュースに紹介されている内容です。
一体、国内での開発実績があるかどうかも判らないような状況です。
広田にとっては、ソフトウェア開発など全くの未経験です、当然自ら作成するつもりなど全くありませんでしたが、とにかくソフトウェアの最新技術を必要とするのであろう事だけは何となく理解できました。

そこで他に相談できるところも無く、以前から知り合いの、地元大手メーカーに勤めて情報システム部門の仕事をしていたのを退社して、東京のメーカーから仕事をもらってCAD関連のソフトウェア開発のH社を興したY氏に話を持っていくことにしました。
Y氏にはこれまでに3回、MS-DOSベースの業務ソフトウェアを開発してもらってお客様に納入したことがありました。
結果的には、最適なソフトウェア製作会社にめぐり合ったように感じます。当時主流であったオフコンシステムの開発を行っているようなところは勿論、パソコンで一般的な業務システムだけを開発しているようなところでは、その当時まだまだC言語についての経験も殆ど無い状態でしたが、Y氏の所のようにCADなど技術系の開発会社では、すでに充分な実績をこなしていたということです。
H社では選任担当者を付けて取り組んで貰えることになり、発注者のS社長の所へ同行しました。
「任せるよ」と言う二つ返事を頂き、いよいよ開発に着手することになりました。

現在のWindows ソフトウェア開発状況と違い、部品として準備されているものは全くありません。画面の罫線等も一つ一つ言語で定義していかねばなりません。大変な手間が掛かる事が予想されました。
それでも、手を抜かず、なるべくマイクロソフト社が提唱するWindowsアプリケーションの仕様に準拠するように勤め、アイコンなども手作りで豊富に配置しました。
各機能を部品化し、オブジェクト志向的な構成をめざした結果、全体のプログラムで起動EXEが60個以上にもなり、それぞれが単独に起動する形になりました。
振り返ってみると、現在のSISCONSTも最初のこのバージョンの個性を受け継いでいるような気がします。

言語をCで、データベースには当時組み込み型データベースの主流でありネットウェアのネットワークに標準的であったビトリーブを採用しました。
この時さらに、遠隔地との通信にまだ実績の少なかったNTTの回線サービスのISDNを採用し、WAN環境からデータベースに直接アクセスしてデータ更新をできるようにもしました。

富山市の事務所から電話回線でプログラムを起動し、最初の画面が出るまで2分以上かかりましたが、入力した内容がちゃんと魚津市の本社で確認できました。
プログラムのバグや安定しないWindows3.0、時々原因不明で落ちるネットワークなど多くの問題を抱えながらも、最先端技術で作成された業務システムの稼動を実感できたのです。
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